認知症と診断された人が、自分が体験したこと、今思っていること、暮らしの様子など、いろいろなことを語ってくれます。

3 困っている人には声をかけたい

3 困っている人には声をかけたい

認知症啓発活動のための講演会にて

小野寺朗さん

診断されてから2年くらいは、ダークな時代でした。心が折れることばかりで、仕事も「辞めようかな」というところまでいったこともありました。

その間、配置換えをしてくれるなど会社が対応していってくれたことで、今では職場の人たちとのコミュニケーションが自分にとってはとても大切なものとなっています。

社会的には、まだ(認知症の人は)受け入れにくいのかな?

だから、診断されたら「やめてください」と会社から言われちゃうのが当たり前かな? 

でも違うよ、丹野智文さん(仙台に住む認知症をもつ人)も(仕事を)続けているし。できるんだ、と思っています。

いろんな人と巡り合って講演会でお話しをする機会にも恵まれ、いろんな人の意見を聞けるようになったことで、「自分が今、していることの方向性は間違ってないんだな」と思えるようになりました。

「私も認知症かもしれない」という声が、あちこちから出てくるんです。私は、困っている人がいるなら声をかけようと思っています。

たとえば、大和市のある会(当事者と家族が参加する会)に、認知症かもしれないという人が参加してくださって。話をしているうちに、最初はすごーく無口だった人がだんだん明るくなっていくと、「あー、やっていることはこれでいいんだ」と思うんです。

ときには、僭越ながら、家族の人に「ちょっとそれ、(認知症をもつ本人にとっては)きついよ」と言います。自分からは言えないじゃないですか。「外に出てきて、(本人は)やっと輪の中に入れたんだよ」と言ったりします。

認知症になったことで、働くことができなくなったり、いろいろと悩んだり・・・でも、どこに連絡すればいいのかわからなかったり、何をしたらいいのかわからない……。

私があちこちに行って「私そうかも」という人と出会えば、「じゃあこんなところがあるよ」と、居場所となれるようなところを紹介するだけでもいいのかなと。家族も一緒に来てくれると、家族同士でも交流ができるからいいのかなと……。
(続く)

小野寺朗さん
神奈川県大和市在住。1960年生まれ。郵便局員。50歳のときにレビー小体型認知症と診断される。

協力/田中香枝(SHIGETAハウスプロジェクト スタッフ)


投稿記事一覧へ