繁田雅弘
病院へおひとりで行ったのですか?
行くまでにいろいろと考えたのではないですか?
躊躇(ちゅうちょ)したのではありませんか?
認知症の疑いで受診するのは気が進まないけれど、認知症かどうか分からずに心配ばかりしているのも嫌で、みなさん受診を決断するようです。
ただ、もの忘れなどの変化に気づいて、すぐ医療機関に行く人は少ないようです。
あなたはどんな変化に気付いたのですか?
「また同じこと言っている」と、まわりから言われるようになったのですか?
捜し物が多くなって、捜してばかりいるようになった人もいます。雑誌や本を買って帰ってきて、また同じものを買ってきたことに気付く人もいます。ショックですよね。情けないですよね。
でも、年のせいかもしれない(老化現象)、単に疲れていたせいかもしれない、カゼをひいていたせいかもしれない、最近は夜にぐっすり眠れないので、そのせいかもしれない……などと、みなさん悩んでいらっしゃるようです。悩んだ末に、医療機関を受診するようです。
行く前に誰かに相談しましたか?
みなさん、おひとりで悩む方が多いようです。
まわりの人は相談してくれればいいのにと言うでしょうが、気楽に相談できるものではありませんよね。
あなたは誰に相談したのですか?
繁田雅弘
東京慈恵会医科大学 精神医学講座 教授
東京慈恵会医科大学附属病院の精神神経科では初診や物忘れ外来(メモリークリニック)を当。また、後進育成、地域医療への貢献にも積極的に取り組む。東京都認知症対策推進会議など都の認知症関連事業や、専門医やかかりつけ医の認知症診療の講習や研修なども行っている。日本認知症ケア学会理事長。